よくある質問に院長が
お答えします。
また受診時に質問いただいた内容についても、
随時更新してホームページ上でお答えしていきたいと思います。
- レーザー(網膜光凝固、後嚢切開術)の術後は眼帯は要りますか?お風呂はどうすればいいですか?
眼球の外に傷をつける処置ではありませんので、眼帯は必要ありません。またお風呂も通常通り入って頂いて結構です。
- ブルーベリーは眼にいいのですか?どんな食べ物が眼にいいのですか?
ずばり言うと、ブルーベリーが特別目に良いわけではありません。
確かに、健康食品やサプリメントでよく目にする、ブルーベリーに含まれる「アントシアニン」という色素が視機能の改善、脳血管障害の予防などにいいことは言われています。また、粘膜(目、鼻腔、喉など)を保護してくれるビタミンAもブルーベリーにはたくさん含まれています。
ただ、ブルーベリーだけではなくぶどうや、赤しそ、ナス、カシス、紫イモ、黒ゴマなどの赤、紫色の食品にはアントシアニンが豊富に含まれています。
ですので、ブルーベリーだけが特別に目にいい訳ではありません。
そしてアントシアニンを毎日摂取して視力が改善したという報告や論文は今のところありません。
もちろんビタミンA欠乏症により、夜盲症や視力の低下を引き起こすことはありますが、これは全身の疾患に伴うことがほとんどで、普通の食生活を送っていてビタミンA欠乏症になることはほぼありません。
ということで、ブルーベリー=眼にいい!というのは少々行き過ぎの気もしますが、健康に気遣い、いろいろな栄養素をとっていただくことはとてもいいことですので、ご負担にならないように続けてくださいね。
- ブルーライトカットは眼鏡に入れたほうがいいですか?
ブルーライトカットの眼鏡など、よく店頭やCMでも目にします。
これを見るとパソコンやスマホの画面からのブルーライトがあたかも『目に悪い、ブルーライトは悪者』という印象を受けてしまいます。
しかしこれは、大きな誤解です。
日本眼科学会、日本小児眼科学会ら6団体が連名で発表している「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」から少し抜粋させていただき理由をお話しします。
①パソコンやスマホなどのデジタル端末の液晶画面から発せられるブルーライトは、曇天や窓越しの自然光よりも少なく、網膜に障害を生じることはないレベルです。そのため、ブルーライトを過度に恐れる必要はないとされています。
②小児にとって太陽光は、心身の発育に非常に重要です。
また太陽光の中には小児の近視進行を抑制する光が含まれていることもすでに分かっています。
要するにブルーライトをカットすることは、ブルーライトに曝露するよりも有害である可能性があるということです。
③また米国の報告でも、ブルーライトカット眼鏡には眼精疲労を軽減する効果が全くないとされています。
④就寝前や夜間ならともかく、日中にブルーライトカット眼鏡をあえて装用するのは日光による体内時計にも影響が出る可能性もあります。
公衆衛生的な側面からも、日中の仕事は窓ぎわの明るい環境下で行うことが望ましいとされています。
①〜④のことから、眼科医から小児にブルーライトカット眼鏡の装用を推奨することは基本的になく、それどころかブルーライトカット眼鏡の装用は発育にマイナスになる可能性があるというのが、世界的にも、多くの眼科医の意見です。
親御さんが、お子様のためにと思う気持ちはもちろん大切なことです。もちろん私も二児の父親ですし、お気持ちは非常に理解できます。
だからこそ、正しい情報を適切に取り入れて、お子様に還元してあげるのが、大切なのではないでしょうか。もちろん診療の際には、こちらからも正しい情報を発信できるよう努めていきます。
- 子どもがどれくらいの視力になれば、眼鏡が必要になりますか?
これは目の度数によって答えが異なります。
近視の子に関しては明確な決まりがありません。学校の黒板が見えにくいや、目を細めて見ようとする、テレビを近い距離で見ようとするなどは一つの目安になります。要するに、日常に支障が出たり、お勉強に支障が出る、本人の見えにくいという訴えに応じて眼鏡の作成時期を決めます。
ただ、かなり矯正視力が落ちていても、「まだ見える!」と言ってメガネを嫌がる子が時々いらっしゃいます。そういう場合は親御さんとも相談してメガネの装用を考えます。また近年は近視の進行予防治療も進んできており、当院でも積極的に取り入れておりますのでまたお気軽にご相談ください。(小児の近視の進行予防についてはこちら)
遠視の子は話は別です。弱視などの原因になりうる遠視の度数がある場合は、なるべく幼少期の頃から治療としてメガネが必要になる場合があります。(斜視・弱視についてはこちら)
- コンタクトレンズって何歳からできますか?
明確な決まりはありません。
スポーツの種類によってはメガネだと支障が出てしまうものもありますし、整容的・コスメティックな面からコンタクトレンズを希望されるお子様もいらっしゃいます。
スポーツ時や、お出かけ用の時だけなど、状況に応じて使用してもらうのも良いかと思います。
もちろんコンタクトレンズの管理がずさんになると、さまざまな疾患を引き起こすことがありますので(角膜感染症についてはこちら)、未成年のうちは親御さんの許可、監視下のもと使用する必要があります。
- 私は糖尿病ですが、なぜ眼科に受診が必要なのですか?
糖尿病の三大合併症として、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病網膜症が有名です。
糖尿病は自覚症状のないまま、全身の血管を痛めつけてしまう病気です。この血管は網膜の血管も例外ではなく、知らず知らずのうちに網膜の血管を痛めつけていきます。視力障害が出てきた頃には手遅れになっていることも珍しくはありません。大切な事は初期から中期までは全く自覚症状がないということです。そのため糖尿病と診断されたその日から、自覚症状が全くなくても、眼科での定期的な眼底(網膜)検査が必要になります。
- 目のサプリメント、ルテインの効果ってどうなんですか?
世の中にはたくさん健康食品やサプリメントが発売されています(もちろん私も愛用しているものはあります)。ただ種類も多すぎて何が目にいいのか選ぶのも難しいですよね。
ルテインは、ご高齢の方に多い加齢黄斑変性と呼ばれる疾患(加齢黄斑変性についてはこちら)の予防に効果があることが論文にも出ています。特に加齢黄斑変性は片方の目に発症すると、何割かの方が反対目にも発症します。反対目を守るためにも、片方の目に発症した方にはルテインを勧めています。
私も50歳を超えたらルテインを摂ろうと思っています。
全てのサプリメントにこの場でお答えするのは難しいですが、「こんなサプリメントを飲んでいるのですが、私の目にはどうですか?」とお気軽に尋ねていただければ幸いです。
- 目が痒くて充血して、アレルギーだと言われました。私は何のアレルギー何ですか?
もちろんアレルギーの原因(抗原)が分からなくても、アレルギー性結膜炎やアレルギー性眼瞼炎の症状を抑え、治療することは可能ですし、問題ありません。
アレルギーの原因は人によって違います。採血検査で多くの項目を調べることができますが、もちろん世の中全ての抗原を調べるのは困難です。スギ、ヒノキやハウスダスト、ダニ、イヌ、ネコなどの様に有名なものならすぐに分かりますが、そうでない場合は分かりにくい場合があります。実際眼科診療の場では、通年性なのか、シーズンが決まっているのか、最近環境がかわったことはないか、接触性のものなのか、など問診しながら推測し治療していく形になります。
症状の重い型、繰り返す方は抗原をしっかり調べるのがいいと思いますね。