診療のご案内 加藤眼科では、一般的な眼科診療・検査に加え、 各種手術処置を対応しております。 *白内障手術 *緑内障手術 *網膜硝子体手術 他

診療のご案内

当院では、さまざまな疾患の解説を、分かりやすい解説図つきの無料の月刊誌にして配布しております。
月刊誌ご希望の方は受付でお気軽にお声がけください。

よくある目の疾患・症状 よくある目の疾患・症状

目がかすむ

白内障

目の中のレンズ(水晶体)が濁る病気を白内障と言います。 原因として加齢が最多で、個人差はあるものの80代の方でほぼ100%の方が白内障を発症しています。進行すると視力が低下していきます。

症状

目のかすみ、眼の疲れ(頭痛、肩こりなど)、眩しい、ぼやける、見えにくいなど

原因

前述のとおり加齢によるものが最多です。その他、外傷、アトピー、先天性、他の病気に続いて起こるもの(続発性)などがあります。

治療

初期の白内障であれば点眼薬で進行を遅らせることも可能ですが、濁った水晶体はもとには戻せません。進行した白内障は、濁った水晶体を手術で取り除き、眼内レンズを挿入する方法しかありません。

視野が狭い

緑内障

緑内障は視神経に特徴的な変化を有し、そのことで視野に変化を来たす病気です。 日本では中途失明の上位の原因として知られていますが、通常、眼圧を十分に下降させることで視神経の障害を食い止め、進行を抑えることが可能です。 進行し続ける方に関しては手術が必要な場合があります。

症状

初期は全くの無症状です。進行した方は、見えない場所が出現したり、見える範囲(視野)が狭くなっていきます。そのため緑内障と診断されれば、視野検査が必須となります。

原因

緑内障は大きく二つに分類されます。 「房水」という液体が目の中を循環しています。この房水が線維柱帯(とその奥にあるシュレム管)と呼ばれる場所へ排出されますが、ここが根詰まりを起こし、眼圧が上昇し、視神経が障害されるのが「原発開放隅角緑内障」です。 すなわち房水の出口が詰まる緑内障です。 もう一つは、房水の流れ道が狭いがために、流れが悪くなり眼圧が上昇する「原発閉塞隅角緑内障」です。 房水の流れ道が狭い、流れにくいことで、眼圧が上昇します。 またその他にも続発性緑内障、先天性緑内障、正常眼圧緑内障など緑内障にはさまざまな種類があります。緑内障と診断された方はどのタイプの緑内障か調べる必要があります。

治療

障害されてしまった視神経は、回復させる術はありません。 治療の目的は進行を止める、または遅らせることのみです。 そのため早期発見・早期治療が重要なポイントになってきます。当院ではリスクのある方には積極的に緑内障早期発見の検査を実施しております。 治療内容は前述したように眼圧を下降させるのが唯一の治療になります。まずは点眼薬での眼圧下降を図りますが、薬で進行を止められない緑内障は手術になってしまう場合もあります。

モノが歪んで見える・視野の中心が暗い

加齢黄斑変性

加齢黄斑変性とは、加齢性変化により黄斑(網膜の中心部)が障害され、見ようとする中心部分が見えなくなる非常にやっかいな病気です。

近年、高齢化と、食の欧米化により、罹患者数は著しく増加しており、失明原因の上位となっています。50歳以上の方の約1%にみられると言われており、高齢になるほどリスクは上がります。

症状

(1)ゆがんで見える:初期症状は、ものがゆがんで見える(変視症)のが特徴です。網膜の浮腫や出血、液体が溜まるなどで、網膜が歪んでしまいます。 網膜はカメラでいうフィルムにあたるため、フィルムが歪んでしまうと、ものがゆがんで見えます。

(2)視力低下、暗点(見えない部分ができる): 黄斑部の障害が進むと、中心部分が見えなくなり(中心暗点)、中心視力が低下します。

原因

年齢とともに、網膜色素上皮と呼ばれる網膜のバリアの下に老廃物が蓄積していきます。そうすると、あるとき新生血管と呼ばれる悪い血管が出現し、それにより直接ないしは間接的に黄斑部が障害されていきます。

治療

加齢黄斑変性には大きく分けて、萎縮型(黄斑が萎縮するタイプ)と滲出型(活動性が高いタイプ)があります。萎縮型の加齢黄斑変性は残念ながら、現在の医療では治療は困難です。

滲出型の加齢黄斑変性には薬物治療や光線力学的療法(淡いレーザーを網膜へ当てる)などがあります。薬物療法は前述した新生血管を抑え込む薬剤を、直接、眼球の中へ注入する治療になります。投与することで、視力の維持を図ります。

モノが歪んで見える(比較的若年の方)

中心性漿液性脈絡網膜症

症状

(1)歪んで見える
初期症状は、加齢黄斑変性と同じく、ものが歪んで見える(変視症)のが特徴です。網膜に液体が溜まり、網膜が歪んでしまいます。
網膜はカメラでいうフィルムにあたるため、フィルムが歪んでしまうと、ものが歪んで見えます。

(2)中心視力の低下
網膜の中心部に水がたまり、中心の見え方がぼんやりしてきます。時間が経過すると視力が落ちてきます。

原因

ストレスが原因と言われています。そのため最もストレスの強い世代、働き盛りの世代の男性(30~50歳代)に多いとされています。片目に起こることが多いです。

すぐに失明するような恐ろしい病気ではありませんが、若い世代に多いため、運転や仕事に支障をきたし、ストレスの連鎖になってしまう病気です。


治療

自然に改善する方も多く、まずは経過観察です。治療としては液体をためる原因となる網膜の下地の漏れ出し口に光凝固(レーザー治療)を行うことが一般的です。

眼前にちらちらするものがある

飛蚊症

飛蚊症は眼科での症状の一種で病名ではありません。

眼球の中には硝子体というゼリーが満たしています。そこに濁りが出ると、影のようなものが浮かんで見えたり、虫が飛んでいるように見えます。加齢に伴う生理的飛蚊症がほとんどですが、まれに網膜疾患(網膜剥離や出血など)の前兆のことがあります。

症状

黒い影のようなものが見える、輪っかが見える、虫のようなものがたくさん飛ぶ、墨汁をこぼしたように黒い部分が出てくるなど

原因

加齢に伴う生理的なものがほとんどですが、まれに網膜剥離や、重篤な網膜疾患の前兆となる場合があります。

検査

眼底検査が必須です。前述したように、網膜の疾患がないかを必ずチェックする必要があります。

眼前にちらちらするものがある・視野が狭い

網膜剥離

眼球をカメラに例えると、網膜は神経のかたまりで、フィルムに当たるところです。網膜剥離は網膜(フィルム)が何かしらの原因により、壁から剥がれ落ち、放置しておくと、失明に至る緊急性の高い疾患です。

症状

初期には飛蚊症から始まります。その後、景色の一部が灰色~黒っぽく欠けていき見えない部分があることに気が付きます。また網膜の中心部まで剥離が及んだ場合は急激な視力の低下を来たします。

原因

網膜剥離の中で最多の原因は、網膜に穴(網膜裂孔・網膜円孔)が開いてしまうことで、その穴から眼球内の水が回り、網膜が剥がれてしまうのが「裂孔原性網膜剥離」です。網膜に穴が開く原因は、網膜の変性や、老化・萎縮・外傷などがあります。

治療

網膜裂孔・円孔のみであれば、レーザー網膜光凝固術で網膜剥離の進行を抑えられることがあります。すでに広い範囲の網膜が剥がれてしまっている場合は、早急な手術が必要となります。

まぶたが開きづらい

眼瞼下垂

上眼瞼(上まぶた)が下がってくることで、上の方の視野が狭く感じたり、外見が悪くなるような不都合が生じます。上まぶたを引き上げる筋肉(上眼瞼挙筋とミュラー筋、前頭筋など)の働きが悪くなることで起こります。大きく先天性と後天性のものに分けられます。

症状

日中から午後、夕方にかけて目が疲れやすい。

上まぶたが下がって見た目が気になる。

原因

先天性眼瞼下垂は、上まぶたを上げる筋肉、上眼瞼挙筋の働きが出生直後より不良であり、まぶたが上がらないことがあります。

後天性眼瞼下垂は、加齢によるものが最多です。また、近年コンタクトレンズ装用(特にハードコンタクト)によりまぶたを上げる筋肉が弱くなり、眼瞼下垂になられる方も増えています。それ以外にも神経疾患に伴う眼瞼下垂もあります。

治療

基本は手術になります。

先天性の場合は視機能に影響を及ぼす場合は、生後6ヶ月以降で手術を行うことが多いです。

後天性の場合は、比較的まぶたを上げる筋肉(挙筋)が残っている眼瞼下垂と、挙筋の力がない疾患で手術の方法が変わってきます。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症とは、糖尿病性腎症・神経障害とともに糖尿病三大合併症のうちの一つです。 糖尿病は全身の血管障害を生じますが、網膜血管が障害されることで、網膜症を引き起こします。

症状

初期には全く症状がありません。症状が出始めたときにはかなり進行していることがほとんどです。進行すると糖尿病網膜症により難治性の網膜剥離や、緑内障を引き起こし、最終的には失明に至ります。

原因

網膜には視細胞が密集しており、多くの血管が走っています。 高血糖の状態が続くと全身の血管を傷つけ、当然網膜血管も障害します。そうして、網膜の血管が詰まったり破れたりしてしまいます。 血流が足りなくなった網膜は『もっと血流がほしい』という状態に陥り、新生血管と呼ばれる出来損ないの血管を自ら作り出します。この時期になると、出血を生じたり、増殖膜と呼ばれるかさぶたのような組織が網膜を引っ張り、網膜剥離を引き起こします。また房水の流れ道にも新生血管を作り、緑内障も引き起こしてしまいます。そうして最終的に失明してしまうという流れになります。

治療

初期の段階であれば、内科での血糖コントロールのみで、進行は止まります。 進行すればレーザー治療や、前述した新生血管を押さえる眼球への注射の治療(抗VEGF療法)、最終的には手術加療が必要となることもあります。 大切なことはこうなってしまう前に早期発見・早期治療で視力障害を食い止めることが可能ですので、糖尿病と診断されたその日から、眼科の定期通院を継続しましょう。

目の痛みや充血などのトラブル 目の痛みや充血などのトラブル

目がかゆい・充血する

アレルギー性結膜炎

アレルギーの素因(花粉やハウスダスト、ダニ、ほこりなどなど)に曝露することで、結膜(白目、まぶたの裏側)の炎症とかゆみ(掻痒感)、目がゴロゴロする(異物感)、目やに、涙が出るなどの自覚症状が出ます。

症状

目が赤い。目やに、目がゴロゴロ。目の痒み。白目がぶよぶよになるなど。

原因

(1)季節性アレルギー性結膜炎
季節による花粉などで生じるアレルギー性結膜炎です。春はスギやヒノキ、夏ではカモガヤ、秋にはブタクサやヨモギなどが有名です。

(2)通年性アレルギー性結膜炎
症状に波はあるものの、1年を通じて自覚症状がある結膜炎です。季節性のものとは違い、ダニやハウスダスト、ほこり、ペットの毛など、生活環境の中に原因があることが多いです。

(3)アトピー性角結膜炎
アトピー性皮膚炎により、通年性の慢性的な結膜炎で痒みや目やにが出現します。

(4)巨大乳頭結膜炎
コンタクトレンズやその他、異物に反応する結膜炎です。反応している異物の特定・除去が重要です。

(5)春季カタル
アレルギー性結膜炎の重症タイプです。上まぶたの裏側に石垣のようなぶつぶつ(乳頭)ができ、重症例ではその乳頭により角膜に深い傷ができてしまうこともあります。痒み、痛みや刺激で目を開けているのも困難な場合もあります。

治療

抗アレルギー剤や、所見に応じてステロイドを使用します。春季カタルなどの重症タイプには免疫抑制剤を使用する場合があります。

目やにが出る・涙が出る

結膜炎(はやり目など)

ウイルスによる結膜炎で、中でも他者にうつりやすいものを「はやり目」と呼びます。はやり目には流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎とよばれるものがあります。 また他にもさまざまなウイルス性結膜炎がありますが、前者のウイルスとは違い、人にうつることはまれです。

症状

目が赤い、目やに、目がゴロゴロする、目の痛み・痒み、リンパ節が腫れるなど

原因

(1)流行性角結膜炎
アデノウイルス8型、19型、 37型によっておこるウイルス性結膜炎です。白目が真っ赤になり大量の目やにがでます。まぶたがはれ、ウイルス感染のため、耳の前にあるリンパ節も腫れます。  

(2)咽頭結膜熱
アデノウイルス3型、4型、7型に感染すると、上記のような結膜炎だけではなく、のどの痛みや発熱を伴う全身症状を認めます。これを咽頭結膜熱といいます。  

(3)急性出血性結膜炎
エンテロウイルス70型またはコクサッキーA24変異株によっておこります。 白目に出血(結膜出血)を伴います。

治療

ウイルス性結膜炎には、特効薬はありません。しかしまれに角膜に混濁を生じる場合があり、視力低下を引き起こす場合があるので、点眼薬により炎症をおさえ、また細菌の混合感染を予防することが重要です。

目が痛む・充血する

角膜感染症

角膜は、私たちが「黒目」と呼んでいる厚さ0.5mmの透明な目の組織です。その角膜に微生物が繁殖し、感染を生じた状態を角膜感染症と呼びます。

角膜感染症の主な原因としては、細菌・真菌(カビ)・アカントアメーバ・ヘルペスウイルスなどがあります。

症状

急激な視力低下、目の痛み、充血、目やに、目を開けていられない、まぶしく感じるなど。

原因

(1)細菌性角膜炎
細菌が原因で起こる角膜感染症です。

(2)真菌性角膜炎
真菌(カビ)による角膜感染症を真菌性角膜炎と呼びます。もともとの持病などで、抵抗力が落ちているような人で発症しやすいといわれています。 また健康な方でも、枝で目を突いてしまったり、土のついた異物が入ったなどの原因で起こることもあります。

(3)アカントアメーバ角膜炎
アカントアメーバと呼ばれる微生物による角膜感染症で、近年増加している角膜感染症です。発症すると強い痛みを感じ、目を開けることも困難となります。 非常にやっかいな感染症で、治療も長期間を要します。アカントアメーバは土壌や、洗面所、水周りにもいることが多い微生物であり、そのため水回りの不衛生な環境で増殖することも多く、コンタクトレンズの不適切な使用者に感染者が多いです。  

(4)ヘルペス性角膜炎
ヘルペスウイルスが原因で起こる角膜感染症です。角膜に潰瘍を作ったり、目の中に炎症を生じることもあります。

治療

(1)細菌性角膜炎
抗菌薬を頻回に点眼します。また所見に応じて、内服や点滴も併用することがあります。

(2)真菌性角膜炎
カビに効果のある抗真菌薬の点眼や内服、点滴を行います。カビは角膜深くまで根を張ることも多く、治癒するまで長期間を要することがあります。

(3)アカントアメーバ角膜炎
抗真菌薬や消毒薬を点眼しながら、アメーバの巣になった角膜を削るなどの処置が必要になります。非常にやっかいな感染症で、長期間の治療を要する場合があります。

(4)ヘルペス性角膜炎
抗ウイルス薬の眼軟膏を使用し、所見に応じて内服や点滴も併用することがあります。

まぶたが腫れる・目やにが出る

めばちこ・ものもらい

まぶたにある汗腺や脂の腺に細菌が感染しておこる炎症です。麦粒腫(ばくりゅうしゅ)や化膿性霰粒腫(かのうせいさんりゅうしゅ)と呼ばれます。

症状

まぶたが痛がゆい、まばたきをすると痛い、腫れる、充血、目やになど。

原因

目の周囲から細菌が入ることで炎症を起こします。

治療

抗菌薬の点眼、軟膏、改善に乏しい場合は内服・点滴、切開排膿などを行います。

目が乾く・目がしょぼしょぼする

ドライアイ

涙は目の乾燥を防ぎ、保護、また殺菌効果や、栄養や酸素を運ぶ役割もあり、目にとって、とても重要な役割をしています。

目の表面に広がった涙が失われたり、崩れやすくなることで、眼精疲労・目の不快感・異物感、また角膜(黒目)に傷ができることでの痛みや見えにくさなどを生じる病気がドライアイです。日本で2000万人以上もの患者さんがいるとされ、現在も増加傾向にあります。

症状

目がかわく、かすむ、まぶしい、涙が出る、目が疲れる、目が痛い、赤くなる、目がゴロゴロ、目ヤニがでるなど。

原因

環境要因:まばたきの減少(長時間画面を見るなど)、低湿度、エアコン下など。

外的要因:コンタクトレンズの装用や喫煙、涙を減らす作用のある飲み薬など。

病的要因:乾燥を防ぐための涙の脂の腺(マイボーム腺)が働きにくい。免疫疾患(シェーグレン症候群や関節リウマチなど)。
加齢性変化:涙の質の低下など、上記に加齢性変化が加わることで所見が悪化する。結膜の加齢性変化による皺(結膜弛緩症)。 などがあります。

治療

涙を補充する点眼、涙の質を向上させる点眼、角膜を保護する点眼、目の炎症を抑える点眼、涙点に栓(涙点プラグ)をすることで涙を目に留める治療などを行います。また環境因子が原因の場合は上記治療に環境を整備します。まばたきを増やしたり、コンタクトレンズの装用時間を減らしたり、加湿器を使うなど。

重要なことは治す病気ではなく、自分でコントロールし、付き合っていき症状を取っていく病気ということです。

お子様の目の悩み お子様の目の悩み

気になる子どもの近眼

小児の近視

当院では小児期における近視の進行抑制を目的とした点眼治療を行っております。

治療

小児の近視抑制治療(低濃度アトロピン点眼治療)について

日本では2人に1人が近視と言われています。先進国において近視は視力障害の主要な原因であり、近視は主に小児期に進行します。また、高度な近視の場合は、視力喪失、黄斑変性症、網膜剥離、緑内障などの眼疾患に発展する可能性があります。 近視は眼球が楕円形に伸び(眼軸長が伸びる)ピントの位置がずれることで生じる軸性近視のケースが多く(図1)、一度眼軸が伸びてしまうと、戻ることがありません。そのため、眼軸の伸びを抑えることが近視の進行を抑制するうえで重要です。

アトロピン配合点眼薬には眼軸の伸展を抑制する効果があるといわれ、近視の進行を遅らせることが 統計的にも臨床的にも有意義な効果が確認されています。アトロピン1%点眼を使用した近視治療は 1960年から行われていますが、散瞳(瞳孔が拡がる状態)によるまぶしさ、目の調節機能(ピントを合わせる機能)の低下による読み書きの困難、アレルギー症状、不快感などの副作用がありました。

近年アジア諸国において、低濃度アトロピン点眼は近視の進行抑制効果が約60%程度あると報告され、副作用もほぼないことが確認されました。このことから当院では、低濃度アトロピン点眼液を使用した小児期の近視進行抑制治療を行っています。

※本治療は近視の進行を抑制するものであり、近視が全く進行しないわけではありません。

治療の対象

・12歳以下の学童  
・中等度(-6.0D)以下の近視の方
・3か月毎の定期通院が可能な方

治療に使う点眼薬

・低濃度アトロピン点眼薬
※0.01%アトロピン点眼薬5㎖ (製品名:マイオピン 図2)

・点眼方法 両眼1日1回点眼 (1カ月に1本使い切り)

日本での一般的な治療の流れ
(1)治療の対象であるかを検査・診断で確認します。(保険診療)
(2)初回検査(自由診療)

・検査、診断、治療内容の説明を行い、点眼薬の使用を開始します。

・点眼後の副作用について
点眼薬使用開始後に眩しさ、手元の見えにくさ、アレルギー症状(目のかゆみ、充血、皮膚の炎症)、その他の気になる症状がありましたら受診ください

(3)1ヶ月検査

・検査、診断、点眼薬使用後の状況を確認し、異常がなければ点眼薬を追加処方します。

・点眼薬による異常が認められた場合は治療を中止する場合があります。

(4)定期検査

・検査、診断、点眼薬を処方します。

・3カ月毎に定期検査を行います。(定期的に視力や眼軸長等を検査し治療を評価します。)

・治療は2年以上継続していただくことをお勧めいたします。

WEB予約はこちら

※小児診療及びコンタクトレンズ処方の方のみ
(一般の方のご予約は承っておりません。)

気になる子どもの見え方・学校検診に引っかかった

小児眼科・心因性視力障害

健康な目を持ちながら、何らかのストレスが原因で生じる視力・視野障害のことを言います。心因性視力障害の場合は、メガネで屈折を調節しても、視力がでません。

症状

近視や遠視もなく、目は健康なのに学校検診で引っかかる。

視野、色覚の異常の訴えなど。

原因

ストレスの原因を取り除くことが治療になりますが、原因が明らかになるのは約半数の方です。思春期前期の心理的に不安定な時期に多く、家庭内・学校関係でのストレスなどが原因となるケースもあります。

治療

治療は、親子一緒に受けていただくことが重要です。ストレスの原因を探り、取り除く、ないしは軽減してあげることも重要です。またわざと効果の乏しい点眼薬や、度数の入っていない眼鏡などを処方する暗示療法が効果的な場合もあります。

目がまっすぐ向かない・目が見えにくい

斜視・弱視

目が違う方向を向いている(斜視)、普段はまっすぐだけど、ふとした時に目がずれてしまう(斜位)などで日常に支障が出てしまう状態です。

症状

疲れた時に目がずれる、視線が合わない、顔を斜めにして見る、ものが二つに見えるなど。

幼少期に、見えづらい・ずれてしまう目を無意識のうちに使わなくなり、視力の発達が妨げられてしまうことがあります。そうすると、視力が満足に育たたない弱視という状態になります。

弱視の状態は大人になってから治療しても回復はしません。

原因

目を動かす筋肉、神経の異常によるもの、屈折異常(遠視や不同視)によるもの、目や脳の病気によるもの、全身の病気に伴うものなどさまざまです。

治療

斜視の種類や年齢に応じて治療法は異なります。まずは両方の目の視力を左右差なくよくしてあげることが第一歩です。

そのために眼鏡の装用やアイパッチ(視力の良い目を隠して、悪い方の目を使わせる治療)を行います。

次に、目のずれをまっすぐにしてあげることです。眼鏡だけでまっすぐになることもありますが、状況に応じて手術を必要とする場合もあります。最終的な目標は、両目で物を見る力を養うことです。ある程度の年齢(小学校高学年から中学生)を超えてしまうと視力の発達は望みにくくなります。

まれにはなりますが、先天的なものはすぐに手術が必要になる場合はあります。

コンタクトレンズ診療 コンタクトレンズ診療

加藤眼科にはコンタクト部門が併設されております。常時多種類のコンタクトレンズを取り揃えております。
診察からコンタクトレンズの購入まで当院だけで完結し、すぐ着用いただけます。

取り扱いメーカー

ボシュロム、クーパービジョン、シード、ジョンソン&ジョンソン、レインボーなど。
他のメーカーも随時ご注文可能です。

詳しくは「コンタクトレンズ処方」の
ページをご覧ください